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2006/06/29 更新

シンポジウム3 「ホスピス病棟では」
外旭川病院 ホスピス 看護師 橋 加代子
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 当ホスピスは開設から7年になり、その間、約400名余りの方のお世話をさせていただきました。13の病床はすべて個室です。そのほかに家族室、共同キッチンなどもあります。患者さんの「家」として利用していただきたいと考えております。

スタッフは医師1名、看護師14名、介護福祉士1名、ソーシャルワーカー1名、ボランティアコーディネーター1名、ボランティア120名です。このように多職種からなるチームで協力・連携してケアを進めるのが、ホスピスケアの大きな特徴です。

 ホスピスケアで最も優先されるのは、がんのつらい症状をできるだけ緩和することです。痛みや不快な症状があってはその人らしさが失われるからです。2つ目がコミュニケーションです。患者さんやご家族の方と十分話し合い、その方の意思を尊重しながらケアを行っていきます。患者さんは身体の痛みだけでなく、経済的な問題、家族のこと、さらには「なぜ自分ががんにならなければいけなかったのか」「家族に迷惑をかけているのではないか」などさまざまな心の痛みを抱えていらっしゃいます。その思いを受け止め、話を聞くことがとても大切です。3つ目は家族と遺族のケアです。家族もまた一緒に苦しみ、時には自分自身を責めてしまうことがあります。そんなご家族を支え、可能な限りで話を聞きます。ご遺族となってからも「友の会」や「遺族会」を通じてケアは継続されます。

 ホスピスでの治療については、ホスピスでは何もしてくれないというイメージをお持ちかもしれませんが、ホスピスでも一般内科病棟で行う治療は可能です。患者さんやご家族に治療をすることのメリット・デメリットを十分にご説明しながら行います。

 当ホスピス入院についての相談窓口はホスピス医、ソーシャルワーカーが対応しています。相談内容で多いのが入院費についてです。ホスピスは定額制で1日37,800円です。もちろん健康保険が適用になります。老人保健も適用になりますし、高額療養費払い戻し制度を利用することが可能です。個室料は特別室1床だけで、あとの12床ではいただいておりません。

 ホスピスケアという考え方は、ホスピスという場所だけではなく、一般病棟、在宅、地域もでも行われるべきだと思います。そのために私たち医療者も努力していかなければなりません。私たちは限られた時間だとしたら、その貴重な時間がその方らしく生活していただけるように、チームでその実現のために、努力しております。もし、自分自身が病気になったとしたら、ご自身がどのような治療を受け、残された時間をどこで過ごし、どう生きたいのかを考えていただき、さらにホスピスについて考えるきっかけになれば幸いです。

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 ・基調講演1「がんの痛みと医療用麻薬」
 ・基調講演2「心のケア・家族のケア」
 ・シンポジウム1「がんの治療に必要な緩和ケア」
 ・シンポジウム2「秋田市医師会での取り組み」
 ・シンポジウム3「ホスピス病棟では」
 ・シンポジウム4「在宅ホスピスケア」
 ・秋田宣言

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