
WHOでは、最も簡便な薬剤の投与経路として内服による経口投与(飲み薬)をあげています。身体の状態のために薬の内服が困難な場合を除いては、痛み止めの薬を始める場合には、内服薬で投与を始めることが基本になります。しかし、体調や副作用のために内服薬を使うことが難しい場合には、貼り薬(皮膚から痛み止めを吸収させる製剤)や注射薬、坐薬を使うこともできます。薬は、患者さんの症状によって選びますが、病院によって使うことができる薬の種類に違いがあるので、医師や薬剤師に相談しましょう。
通常、頭痛などの場合に飲む鎮痛薬は、痛くなり始めたときに飲みますが、がんの痛みを治療する鎮痛薬は、「痛くならないように使用する」、「鎮痛薬の効果がとぎれないように継続して使う」ことがとても重要です。鎮痛薬を医師の指示に従って規則正しく使うことによって、いつも通りの日常生活を続けていけるようにします。通常、規則正しく使う痛み止めは一定の間隔で使います(8時間ごと、12時間ごと、3日ごとなど)。
がんの痛みには、さまざまな種類・程度があります。鎮痛薬は患者さんの痛みの強さに応じて使い分けます。病状が悪いから、モルヒネなどの医療用麻薬を使うわけではありません。鎮痛効果の弱い痛み止めでは、強い痛みを十分に治療することはできないことがほとんどです。逆に、がんの痛みだからといって、痛みが弱いのにいきなり強力な痛み止めを使うわけでもありません。あくまでも痛みの強さや、使った上での効果を見て、段階的に痛み止めを選んでいきます。
痛みの強さや感じ方には個人差があります。
WHOの3段階除痛ラダーのなかで、第2段階以上の鎮痛薬は、患者さんによって使用量に大きな差があります。急に大量に必要になることはありませんが、最初の使用量より多くの量が必要になる場合もあります。しかし、薬の使用量の大小を心配する必要はありません。患者さんの痛みが十分にとれることが一番大切なのです。
吐き気や便秘などの副作用に注意してこれらを予防します。また、患者さんのからだの状態の変化をみながら、鎮痛薬の使用方法(内服か、注射か、など)を変更する必要がないかどうかにも常に注意しながら治療します。